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Live Report

ライブレポート

SpitFunk 『黒魂伝道』
2005/1/23(sun)

普段は若者達を相手の「総立ちライヴ」が多い、彼等。年齢も比較的高めなBAJで、果してどのようなショウを見せてくれるのだろう？　期待は大きかった。そして、彼等は期待以上のライヴを見せてくれたのだった。BAJ初登場の彼等、流石に最初は緊張が表情に出ていて、演奏も何処か硬め。というよりも、本調子が出ていない感じだったのである。それが、徐々に本領を発揮しだす。汗の飛び散るファンク魂を聴く者に感じさせる、熱のこもった演奏こそが彼等本来のライヴだ。ようやく、曲が進むにつれて、そんな雰囲気が出てくる。ステージ向って左側に構える４人のホーン・セクションも、アクションがいつも以上に大きめだ。比較的マイペース人間が多いリズム・セクションも、小技が多く感じられる。これは、取りも直さずPAが良いから、なのである。テクニシャン揃いの彼等の出す音を、細大漏らさず拾ってお客さんに送っているからこそ、それが判るのだ。だから、例えばドラムが出す音に他のリズム隊が呼応する様子が聴き取れる。面白かったのはお客さんの反応だ。いつもの「総立ちライヴ」を経験している人達は「何処で乗ってよいの？」という感じ。何処で、どんな感じに乗っても良いのに……。そして、彼等の評判は聞いていたけど、総立ちのライヴハウスに行くのはどうも、という世代のお客さん。そういった、年配のお客さんこそが一番楽しんでいた、と言えるだろう。BAJのような、本当に音楽が判っている人が集う場所でこそ、彼等のような「若いのに実力派、そして楽しい」バンドが活きるのである。全曲、彼等自身の手になるオリジナル。ファンク・バンドの大先輩であるタワー・オブ・パワーやアース・ウィンド＆ファイアなどへの尊敬と憧れを曲の節々に表しながら、独自の音楽性を明確に持っている彼等。単なる「ソウル」ではなく、もっと肉体性を感じさせる「ファンク」を標榜する彼等は、今、日本中の音楽業界注目の存在だ。美形の男性もいれば、ホーンズ４人のうち2人はそれぞれに個性的な美形の女性。「聴いて良し、見て良し」の彼等、次にBAJのステージに上がる機会を見逃してはいけない！〈音楽ライター　櫻井隆章〉

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